外国語を話せるようになる条件
長期留学したら話せるようになるのか?
どのくらい行ったらいいのか?
学習している目的言語を実用化するために留学は有効な手段に思えますよね。
どの程度を『話せる』とするかによっても差はありますが、ここでは日常会話ができるレベルとして話します。
言い回しやアクセントを学ぶには会話は強い
器用な言い回しができたり、ネィティブのようなアクセントがあったりする学習者には驚かされます。
フィリピンでの例を出すと、日本に出稼ぎに行っていた人にこの学習者タイプが多く、基礎知識がないまま会話の中で日本語を学んだ人がほとんどでした。
こなれた言い回しや外国語学習者特有のアクセントが弱いことから、話す言葉だけを聞くと日本語の能力もかなりありそうだと思ってしまうほどの人もいました。
アクセントが弱いほど実際の言語能力も高そうに思いがちですが、会話からは細かい文法知識は学べません。
会話で学んだ学習者タイプに共通する悩みが実用能力検定の勉強に躓きやすいということです。
これは日本語に限らず、言語全般に言えます。
基礎の大切さ
何をするにしても基礎は重要で、築き上げる土台がしっかりしていないと崩れやすくなることは想像ができると思います。
言語教育方法の1つに会話などで学ぶフォーカスオンミーニングがありますが会話で学ぶ環境では細かい言語知識を学べませんので自分で勘違いした間違った文法規則ができあがっています。
例えば、会話の中でをよく聞く『だよ』を語尾に付けるものだと認識した学習者はその規則を過剰に使うことがその1つです(過剰般化)。
本来ナ形容詞と名詞に使うべき文法をイ形容詞や動詞にも過剰に当てはめてしまうミスの種類です。
文法の基礎知識があれば後々に気づくこともありますが、基礎がないとそのまま化石化してしまい修正するのが難しくなります。
(化石化:間違いが修正されることなく定着してしまうこと)
正確な文法知識で伝えたいことが伝えやすくなる
子供が言語を習得する過程と臨界期を過ぎた大人の学習過程は異なります。
話を戻しますと、
日本の義務教育の英語では文法知識を主に学びますし、専門的な会話をしない限り、日常会話に必要な英語力は中学生で学ぶ文法で足りると言われています。
現に、私もニュージーランドに行ったときの英語知識は中学レベルでした。
海外に行って目的言語を上達させるためには、基礎とアウトプットの機会次第です。
基礎がしっかりしていないと誤った言語知識を身につけやすくなってしまいますし、伝えたいことの幅も狭くなってしまいます。
そして、会話から入った言語学習は後に苦労しますが、基礎があって会話力を伸ばすのはアウトプットする機会次第で大きく飛躍できます。
会話には聴解能力の有無も大きく左右しますが、基礎とアウトプットの機会さえあれば短期間の渡航でも駅前留学でも十分な成果が出ると思います。
逆にこの条件がなければ1年でも10年経っても使えるようにはならないでしょう。
それほど基礎と機会は重要です。
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フォーカスオンミーニングなどの言語指導法について書いた記事です。