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元日本語教師の海外日記

元日本語教師・英語教師/現言語教育コンサルタントのブログ🌻

信頼関係を築くために(関係性)

関係性・有能性・自律性のバランス

学習意欲が低い学習者には、本来持っている意欲を刺激するために
関係性・有能性・自律性を満たす必要があるという自己決定理論の話を前回しました。


今回はその1つ、『関係性』に焦点を当てた記事です。

学習者との距離感

指導者と学習者の関係性は近すぎず遠すぎずなのが大前提です。

友達のような関係になると授業は楽しくなるかもしれません。
でも甘えが出たり、指導者としての尊厳を適度に保つのに苦労したりする指導者も見てきました。

だからといって、距離がありすぎると不必要なプレッシャーから学習者の伸びる機会を奪う場合もあります。

時代が変われば価値観も変わります。
価値観が変われば人の心理も変わります。

簡単に物が手に入り選択肢も多い今、合わない時には次に行きやすい時代でもあります。

笑顔を振りまく必要はないのですが、プレッシャーだけを与えるような関係では学習者はついて来ない時代に今はあると感じます。

注意する時や指導の時も、決して感情的にはならず、意図を説明し話すことは学習者に、というよりも一人の人に対しても大事だと思います。

文化によっては人前で注意することは親でもしない国もあるので、クラスの中の異文化にも気を配る必要があります。

見てもらっているという安心感とその影響力
教わった先生や指導者でどんな人が印象に残っていますか?

大勢の学習者がクラスにいるとそれぞれと関係を築くのは難しいかもしれません。
全員と深い関係を築く必要はありませんが、一人一人に気を配ることは大切です。

学習者にとって指導者は一人です。
指導者に気付いてもらったこと、誉めてもらったことを学習者は覚えています。

お世辞を言ったり無理に取り繕ったりするのではなく、

文字の書き方

課題の提出具合

声の大きさ

良い所は必ずあるはずなので、強みや良さ、頑張っていることなんでもいいので一人一人の個性に気付いて伝えることは思った以上に強い印象を与えます。

その場で学習者から反応がなくても、一人の指導者から誉められたことや気付いてもらったことは心に残るものです。

クラス内の課題でも宿題でも少しでも、一人一人添削をして一言でもコメントを残すことは、学習者の強み・弱みを把握する点でも、大勢の中でも埋もれずに見てもらっているという印象を与える点でもプラスに働きます。

それができなくても、授業で課題をする際には一人一人の作業を見て回って確認することで同じ印象を与えられます。

みんなの前では質問しづらいと感じる学習者も、回ったときに質問してくれたり、こちらも訂正しやすかったりします。

大勢いる中でもちゃんと見てもらえているの安心感もあって、適度なプレッシャーを与えることもできるでしょう。

見られていないと分かると気が抜けたり、意欲がなくなったりする人の心理を経験したことがある人は多いと思います。

興味を持つこと
適度な距離で信頼関係を築くことはお互いにとってもメリットです。

一人一人に気を配ることで学習者に興味を持て指導意欲を刺激するという利点もあり、
興味を持つことで良い所にも気付きやすくなると思います。

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