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元日本語教師の海外日記

元日本語教師・英語教師/現言語教育コンサルタントのブログ🌻

実際にリスニングが上がった方法(続編)

前回の続き
『最後まで聞いていなかった』
『午前と午後を勘違いした』
集中力が続かないと本当に単純な理由で点数を落とした学習者をたくさんみてきました。

聴解は学習する側も指導する側もとっても厄介な能力だと思います。

まず、慣れない言語を聞く作業は思ったより集中力が途切れやすいです。


知らない単語に惑わされ全部聞かずに終わる学習者の場合
これはまさしくまだNZに行って日が浅い頃の私です😅 

(中学卒業後にNZの高校に行っていた時の話)


だんだんと耳が慣れてきて単語が拾えるようになったら、早く意味理解をしたいのが学習者の気持ちだと思います。

このころ、学習者の頭の中では意味を知っているものと知らないものが明確になっています。

特に私は聞き取りの際に知らない単語が気になって気になって。
無意識に知らない単語の意味を考えたりと、途中で気が逸れることが多かったです。

効果があった練習方法
ボトムアップ処理で聴解能力を上げるには、全文をしっかり聞き取るのが大前提です。

このタイプの学習者には穴埋め方式のディクテーションで意味理解から気をそらし、全文を聞くことに集中してもらう方法が有効です

特に文の途中と最後を抜いた穴埋め方式にすることで、途中で止まることなく、音を聞くことに集中してもらう目的があります。
ボトムアップ処理について)



それか、レベルにあった短文を選んでするディクテーションも効果があります。

穴埋めではなく全文のディクテーションでスペルに躓いてもとりあえず書き取り、最後まで聞く忍耐力を養うことが重要です。
(練習目的は聴解なので、スペルは答え合わせの時に自分が分かれば大丈夫です)

単語や助詞の切れ目を間違ってしまった為に意味理解ができない場合も多いので、確認の際には単語数や特に単語や助詞の切れ目があっているかも確認します。

とりあえず、この学習者に必要なものは妨げるもの(知らない単語や文法)があっても集中して聞くことが大事です。

意味理解の処理に時間がかかる学習者の場合
単語や文法のインプットが少なく、理解が浅い学習者に多いタイプです。

意味が出てこずに止まってしまったら音声はどんどん進み、置いて行かれてしまいます。
ボトムアップ処理には頭の中で意味を素早く処理する能力も必要です

記憶の種類については別記事で書きますが、新しい記憶や頻繁に引き出す記憶は比較的に記憶に残りやすいです。

頻繁に引き出す記憶としてはアウトプットの多さが関わってくるので、できるだけ多くのアウトプットの機会を学習者に与え、記憶のメカニズムを利用することで有効に働くと思います。

効果があった練習方法
この学習者タイプに効果的だったのは教室内で指導者が単語を読み上げ、学習者が意味を書くという単純作業を繰り返し行うことでした。

『1、2、3、4、5』と5秒くらいカウントし、次の単語を出題することで緊張間を保ち練習することができます。

最近学習した内容の復習や、事前にインプットしてきてもらい記憶が新しい状態でアウトプットをするようにスケジュールを組みます。

単語から難易度を上げて最近学習した文法の短文翻訳も効果的ですが、大事なのは出題者が読み上げることです。

頭を使う練習なので長時間することはおすすめしませんが、アウトプットの原理を利用して行える練習方法だと思います。