ソトだから気づくこと
自分にとっては近くて気が付かないことも、ソト側の人から見ると興味深いことってたくさんあります。
生まれ育った環境からソトに出て、違う視点で見ると改めて気が付くこともたくさんありました。
今回の話はオーストラリア人の上司と仕事で日本に行ったときの話です。
『ここでも靴を履き替えるの?』
日本では靴を脱いで室内に入らなきゃいけないことは、日本に行ったことがない人でも知っているくらい常識として広まっています。
『玄関でスリッパに履き替えて、
トイレのスリッパもある。
お風呂場に防水スリッパもある。
ベランダにでるときはまた別のスリッパに履き替える。
一体いくつスリッパが要るんだ???』
こんな冗談を言われるくらい日本のスリッパ習慣はよく知られているから嬉しいです。
オーストラリア、アメリカなどでは室内で靴を脱ぐ習慣がないこともよく知られていますよね。
(移民先でも自国の文化と暮らしている家庭もあるので、家庭にもよりますが)
日本橋にある会社を訪問していた時、オーストラリア人の上司がぽつりと言いました。
『ここでも靴を履き替えるの?』
出先から帰って来た人が別の靴に履き替えたのを目撃したそうです。
『会社は家のソトなのに?』
オーストラリアでは出勤・帰宅中、上はスーツで下をスニーカーに履き替えて歩いている人をよく見かけます。
『スーツに合わせた靴よりもスニーカーでしょ、歩くんだから』というもっともな理由からだそうです。
働いている間こそ履き心地のいい靴の方がいいなーとくらいにしか私は思いませんでした。
でも、会社も家の「ソト」、他者に会う所ですよね。
ウチとソト
日本語学習者泣かせの尊敬語と謙譲語ですが、
尊敬語は目上の人に使い、謙譲語は相手への敬意を示すために使うという日本の文化によく合った言葉です。
それを会社では相手が社内か社外に属するかでさらに使い分けますし、家族内・外でも同じことが言えます。
どうしてお母さんと母を使い分けるの?
どうして上司を呼び捨てにしてもいいときがあるの?
ウチとソト。
日本での社会との関わりを表したような言葉ですが、海外の人にはその概念や文化を理解するには少し時間がかかりますね。
ウチとソトで服装に気を付けるのがマナーでもある日本で、家の「ソト」である会社で靴を履き替える行動はスーツとスニーカーを合わせる実用的なオーストラリア人からしたら興味深い発見だったそうです。
「ウチ」である会社で履き心地のいい靴に履き替えることは特に気に留めることもない日常だと私は感じてしまいましたが、確かに。
靴一足に文化の違いを感じた一日でした。
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