※住んでいた時にフィリピン人や英語教師から聞いた話を言語教育と絡めてまとめた記事です。
外円国で英語を学ぶ
フィリピン留学が流行っている今の時代、フィリピンへ行った留学生にオーストラリアでよく出会います。
フィリピンで英語に慣れた後、近くのオーストラリアにワーホリに来たそうです。
ヨーロッパの留学生にはマルタが人気のようですが、文化も比較的に似ているアジアの人はシンガポール、特にマリンスポーツもできるフィリピンの需要は年々上がっているそうですね。
フィリピンで英語は公用語の1つなので道路標識や公的文書などは英語が使われることがほとんどです。
Kachruの同心円モデルでみると、フィリピンは多言語国家なので外円に位置します。
(公用語が英語だけの国は内円、日本は日本語のみの単一言語国家なので拡大円に位置します)
外円で効果的に英語を学ぶにはどうしたらいいでしょうか。
現地での英語使用率
私がフィリピンで経験した英語事情は下の記事にも書きましたが、経済中心地から離れるほど現地の人の英語力は弱いと感じました。
もちろん例外もあるのですが、
実際にフィリピン人同士で使うのはタガログ語などの現地の言葉がほとんどで、英語を使っているのを聞くのは限られた地域のみでした。
(BGCやMakati、Ortigasなど)
経済格差もあって学歴や人脈が就職に大きく影響するフィリピンでは、英語はステータスを誇示するものでもあるそうです。
内円のネイティブレベルに話せるほどの“いい教育”を受ける人は家族も裕福で人脈があるので、英語教師としての道ではなく外国企業に勤めたり他の道へ行ったりする場合がほとんどとも聞かされました。
外円で英語を学ぶ際の注意点
外円の英語が持つ一番の特徴がアクセントと言語転移とされています。
(言語転移:母語や優位にある言語の言語規則を第二言語に当てはめて使用すること)
どの英語にもアクセントがあるように、フィリピン英語にもアクセントがあります。
コミュニケーションに大事なのは伝わることです。
発音をしっかりとしていれば伝わるので、アクセントに優劣をつけるつもりはまったくありません。
でも自分が気に入っている目指したいアクセントがきっとあると思います。
アクセントに関しては色々な例がありますが、
ドバイで働きながらもインド人の同僚が多かった日本人の友人は、数年後インド風のアクセントになっていたのがとても印象に残っています。
よく聞くものや印象に残ったものが頭の中で採用されてしまう傾向があるので、留学した先の指導者や周りの持つアクセントの与える影響は大きいでしょう。
(英語に限らずどの言語でも)
パフォーマンスと心理的負担
せっかく留学したのだから後悔せずに練習に励みたいですよね。
試行錯誤してアウトプットし、能力の限界に気づくことは言語学習にとって欠かせない要因です。
それでは効果的にアウトプットの練習をするにはどうしたらいいでしょうか?
緊張していたら言葉が飛んだ。
プレッシャーから的確な判断ができなかった。
といった経験は多かれ少なかれあると思います。
では、お酒を飲んだら外国語が話せた。という経験はありますか?
学習自体に気が向きがちですが、これは心理的負担がパフォーマンスを上げているいい例です。
毎回お酒を飲むわけにはいかないので、心理的負担になる要素を意識的に減らしたり排除したりして環境に気を配ることが意外にも学習効率を上げる近道であったりします。
移民が多い国で外国人として過ごすのも楽しいですが、外国人が少なく興味津々でいてくれるフィリピン人とは英語を使う心理的負担も和らげてくれると思います。
それにフィリピンで出会った人々は陽気で寛大な人が比較的多かったです。
その点も含めて、アウトプットをする環境として最適です。
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